女性農業労働者の労働供給 : 19世紀イングランドにおける一農場の事例
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概要
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イギリス経済史において比較的等閑視されてきた女性賃金労働者について、その労働供給の一側面を定量的に把握することが本稿の目的である。イングランドのミッドランド北部、スタッフォードシャーに位置するトレンタム農場には、1848年から1856年にかけて雇用されていた労働者について、労働者の名前、職種、その日の出欠、賃金率など、詳細な情報が賃金台帳の形で残されている。この史料の分析を通じて、以下の3点が明らかにされる。1)トレンタム農場で雇用されていた女性労働者の年間労働日数は比較的長く、先行研究が示すよりもずっと安定的に雇用されていた、2)農業の季節性による労働需要の変化は、男性労働者については雇用者数の増減によって調整されているが、女性労働者は週当たりの労働日の増加という形で行われた、3)農場で雇用されている女性労働者のうち、夫が同じ農場で働いている場合は、出産・育児に際して、就業がかなり柔軟に対応されていた。
- 2006-09-20
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