Study on Anneal Hardeningn of Carbon Steel
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概要
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炭素鋼を冷間加工後焼鈍すると,ニ段に硬化する。その中,第一段は150゜以下で起り,低炭素鋼に顕著であって,Cottrell機構によって合埋的に説明出来るようである。 これに反して,150~350゜の範囲で起る第二段硬化は高炭素鋼に著しく,又,黄銅の場合と同様に,冷間加工と同種同方向の応力で測定した降伏点の上昇を伴わない。この事実から次のことが推量される。すなわち第二段の焼鈍硬化はフェライト自身よりもむしろ相境界に原因がある。又,この硬化はバウシンガー効果の消滅にもとづくものである。そして又,セメンタイト粒子の周囲に作られた転位環が逆応力を呈し,バウシンガー効果が顕著になる。転位環の数はセメンタイト及び空格子の凝集体又は積層不整の性質及び形状によって決まる。このような組織が軟化をもたらすが,拡散又は強制変形によって転位環のもたらす逆応力が馳緩し,バウシンガー効果の消滅及び第二段焼鈍硬化を起す。
- 1960-03-30
著者
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Nishino Kazuyoshi
Department Of Mechanical Engineering Faculty Of Engineering
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Nishino Kazuyoshi
Department Of Mechanical Engineering Faculyty Of Engineering
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西野 知良
Department of Mechanical Engineering,Faculyty of Engineering