社会安全政策におけるエビデンス・ベイスト・ポリシーの意義(I 課題研究 最近の刑事政策関連立法・施策における政策形成過程の再検討-エビデンス・ベイスト・ポリシーの発想に基づいて)
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概要
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本稿は,社会安全政策論の観点から見たエビデンス・ベイスト・ポリシー(EBP)の意義と限界に関する私見を展開するものである.筆者は,近年における米国でのEBPの成功は,「現場の知恵に対する科学の勝利」ではなく,「現場の知恵と科学との連携の勝利」であると考える.米国の実務家と犯罪学者は,「机上の空論」を退けようという点において目的を共有している.EBPには少なからぬ問題点もあることから,現在日本で行われている現場の知恵に基づく政策決定の手法に完全に取って代わるべきものとまでは言えないが,現場の知恵にもおそらく限界はあるのであって,現場の知恵と科学的手法の好ましい補完関係の1つとして,一定の場合にはEBPが現場の知恵を検証するための有効な手法となるのではないか,米国のEBPに見られるトライアル・アンド・エラーによる実務の改革・改善の考え方は見習うべきではないか,というのが本稿の主張である.
- 日本犯罪社会学会の論文
- 2005-10-18
著者
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