木材中への液体浸透に及ぼす初期含水率の影響
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概要
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毛管圧による液体浸透において最大の浸透量をもたらす木材含水率を明らかにするため,アカマツ,スギ,ヒノキ,ヤマザクラ,アベマキの辺材を用いて生材から含水率7%まで徐々に乾燥したときの含水率低下に伴なう液体浸透性の変化を調べた。その結果次のことが明らかになった。(1)スギとヒノキは生材からFSPまでは難浸透性である。FSP以下では含水率低下につれ急激に浸透性が増す。7%まで乾燥するとFSP時の2.5〜5.5倍に達する。(2)アカマツ・ヤマザクラは生材(MC=80%)から7%までの乾燥過程において浸透性が連続的に漸増する。7%まで乾燥すると生材時の3〜5倍,FSP時の1.5〜2倍に達する。(3)含水率変化に伴なう液体浸透性の変化の様相が樹種により異なる原因は,主として木材中の個々の毛管をつなぐ連絡部の細孔サイズの差異によるものと推定された。
- 横浜国立大学の論文
- 1987-10-31
著者
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