聴覚障害児に課した読書力検査と性格特性の関係について
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概要
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聴覚障害児の言語力が性格のある側面と関連するものと考え,38名の聾児に,心身障害児童生徒性格診断検査と教研式全国標準新読書力検査を課した。調査の結果,次のようなことが見出された。(1)一般的活動性,生活習慣,自主性,根気強さ,指導性,社会性,情緒安定,自己中心性,顕示性,固執性,活動過多性,神経質,劣等感および未熟さの14下位項目からなる性格診断検査において,読書力検査の結果と正の相関が認められた性格特性は,自主性と活動過多性とであった。(2)読書力検査の下位項目それぞれの上位群が得た自主性得点の平均値と活動過多性得点の平均値はいずれも下位群より高得点であった。そして,読書力テストの下位項目である文法力及び読解・鑑賞力の上位群が得た活動過多性得点の平均値は,下位群が占めた活動過多性得点の平均値に対して1%水準で,語字力では,5%水準で有意であった。読解・鑑賞力の上位群が占めた自主性得点の平均値は,下位群が占めた自主性の平均値に対して1%水準で,文法力・読字力ではともに5%水準で有意であった。語い力については,活動過多性も自主性も有意差がなかった。(3)聴力損失の大きい群と小さい群とで,読書力検査の得点に有意差は認められなかった。
- 1983-10-30
著者
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