パスベクトル法によるソフトウェア信頼度成長曲線の分析
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概要
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フローグラフをパスの集合に分解してプログラムデバッグ作業をシミュレー卜し残存エラー数を推定する方法を提案する。筆者はこれを"パスベクトル法"と名付けた。この方法では、プログラムをフローグラフで表し、エラーは各リンクに存在するフォールトから発生し、パスにそって下流に伝わりノードで発見される。その発見確率をr(0≦r≦1)とする。エラーは枝別れに出会うと広がり、それを発見して除去すると発見場所以降の下流ではそのエラーはなくなる。こうしてパスを水の流れに、フォールトを汚染の発生源に、エラーの発見除去を汚染の発見除去にたとえ、プログラムの複雑さとエラー発見能力とを反映したモデルを構築する。このモデルではエラーの数は、rが0に近くて複雑度が大きい場合には、増加して発散することがある。また、試験ずみパス数という新たな概念を定義し、試験ずみパス数を縦軸に、実施試験項目を横軸にした新たな信頼度成長曲線を提案する。従来、累積発見エラー数を縦軸にしているが、そうするとエラーの多いほど信頼度が増加するということになる。本理論では試験ずみパス数が多いほど信頼度が増加するのでより自然である。こうして、プログラム複雑度と試験実施手順を考慮した信頼度成長曲線が得られる。また本理論に基づき階段型や発散型の信頼度成長曲線が得られることを示す。
- 静岡産業大学の論文
- 2002-02-28
著者
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