ホトトギス(ユリ科)の胚嚢内に観られた精核
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概要
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ユリ科植物のホトトギスを材料として、花粉管が到達する前の胚嚢と到達後の胚嚢を観察した。花粉管が到達する前に、中央細胞内の2個の極核は融合し、大きな1個の複相の核になる。また、卵核と複相核は球形をしており、核膜は張りきっている。しかし、この両核は時間の経過と共に次第に変化し、花粉管が助細胞に到達し、精核が卵細胞と中央細胞に入ったときには、卵核と複相核の核膜は波を打ったようにたるみが出来る。卵細胞と中央細胞に入った直後の精核は楕円体をしていると思われる。精核が卵核や複相核に近づくにつれて、卵核や複相核に面している精核の側面が湾曲の程度を減少させ、精核の形がいびつになる。精核の側面の変形に合わせて、精核に面している卵核と複相核の核膜は精核の変形した核膜に並行するように変わる。精核が卵核と中央細胞の複相核に接着する直前まで、精核と卵核、複相核のそれぞれの核膜は2重膜構造を維持している。
- 2006-02-28
著者
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佐藤 嘉彦
横浜国立大学教育人間科学部理科教育講座
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佐藤 嘉彦
Depertment of Science Education, Faculty of Education and Human Science, Yokohama National Universit
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佐藤 嘉彦
横浜国立大学
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