EU立法の「民主主義の赤字」論の再設定 : 多元的法秩序EUの視座から(<特集>欧州統合と民主的統治)
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概要
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EU立法の「民主主義の赤字(Democracy Deficit)」として論じられてきた諸問題のうち,代表制民主主義の制度的保障を中心に,多元的複合法秩序としてのEUという視座から従来の議論を整理しなおし,「欧州憲法条約」(憲法条約)による制度改革を評価し,最後に赤字論の再設定を試みる.従来の議論はEU立法の民主主義の赤字をEU次元の欧州議会と各国次元の各国議会のそれぞれの権限強化を論じていたが,EUと各国の両次元の法秩序が交錯し融合するEUの多元的複合的性質から独自に生まれる解決策には注目してこなかった.本稿では,従来の議論と憲法条約の示した解決案が,いまだに交錯と融合に配慮したものではなく,各次元の解決策の提示にとどまっていることを具体的に検討する.そのうえで,EU固有の法秩序の多元的複合性を直視し,活用した解決策を得るために,今後どのように「赤字」論を進めるべきかを考察する.また両法秩序の融合から生まれる解決策案も提示する.
- 東京大学の論文
- 2006-01-31
著者
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