高水温障害(水稲)に関する一考察(予報)
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概要
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水温の高低と水稲の生育との関係をガラス室(高気温下)と屋外で調査した.処理期間(ガラス室 : 7月20日〜9月15日, 屋外7月20日〜9月5日)の気・水温は次の通りである.ガラス室;気温30.8±7.0℃, 加水温区32.5±4.1℃, 無処理区28.3±4.4℃, 低水温区26.3±4.2℃, 屋外;気温26.9±4.0℃, 加水温区29.6±4.0℃, 無処理区26.3±3.5℃であつた.(1)ガラス室内では低水温区程, 草丈は高く分けつはやゝ少い傾向を示したが, 屋外では逆に加水温区の方にその傾向が見られた.また高水温による根腐れ増大もガラス室の方に早めに表われることから考えて, 水温の高低にもとづく水稲生育様相の差異が, 気温の高低によつて変化することがわかる.(2)ガラス室加水温区は, 幼穂形成時において, 稲体は高度の窒素含量をもつているにも拘らず, 生成された1穂頴花数は他の2区に比べて著しく減少し, 出穂も不揃いになり, 結果として収量も減少した.このことから高水温障害はとくに幼穂の発育に悪影響を与えること, そしてそれが高気温によつて助長されると考えた.
- 鹿児島大学の論文
- 1959-09-00