甘藷の生理学的研究(II) : 発根初期に与えた肥大抑制条件が甘藷の形状特に藷梗の長さに及ぼす影響
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概要
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1)甘藷苗の基部3節を水平に挿植し, 数日後その先端部5節を埋めると先端部に形成される藷の数量は著しく減少する.この先端部に於ける藷の形成に及ぼす基部の影響は, 基部を挿植してから先端部を埋めるまでの時日の経過につれて増大する.2)基部3節を挿植し, 15日後に先端部を埋めると, 藷の着生は殆んどすべて基部に限られる.ところが, 基部を切除すると抑制作用が取り除かれて, 先端部にも藷の形成が行われるようになる.3)先端部を埋めて数日後に基部を切除すると, 藷梗の長い藷が形成される.この藷梗の長さは基部の切除が遅くなるにつれて長くなる.一方土壌の無気状態によつて発根後数日間根の肥大成長が抑制された場合にも藷梗の長い藷が形成される.4)抑制作用の下においては, その作用が内因的相互作用であるか外因的作用であるかにかかわりなく, 肥大部位は根の先端部に移行し藷梗の長い藷を生ずる.5)之等の事実から甘藷の肥大成長の開始は, 短期間存在し, かつ数日以内に根の老化によつてすみやかに失われる根の初生組織の或る生理的状態と緊密に関連しているもののようである.
- 鹿児島大学の論文
- 1956-11-30
著者
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小西 通夫
Laboratory Of Applied Botany Kyoto University
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今村 駿一郎
Laboratory Of Applied Botany Kyoto University
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中村 三七郎
Laboratory of Horticulture
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小倉 弘司
Laboratory of Horticulture
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