ソラマメゾウムシの喰入孔数について
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概要
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鹿児島地方においては, 越冬したソラマメゾウムシBruchus rufimanus BOH.の成虫は, 2月下旬頃圃場に現われ5月中旬まで見られるが, 本報は播種期を異にした蚕豆への喰入孔数を調査した結果である.1.被喰入率及び1粒平均喰入数は, 播種期が遅れるにつれて減少し, 特に11月以後に播種されたものは顕著な差を示すが, 減収度が著しいから播種期の繰下げにより本害虫を防除することは現在の品種では不可能であろう.2.7月13日に調査した種実250粒の在虫数は, 喰入数のほぼ1/2で, 既に若干の羽化成虫が見られた.また生存虫の被害粒率は32%で被喰入率48%のほぼ70%に相当する.3.播種適期の1莢平均喰入数は, 地上31〜60cmにもつとも多く, 高さとの相関係数はr=-0.2007^*〜-0.3879^<**>で, 高位の莢程少い傾向がある.4.種実粒に喰入する虫の頻度分布は, 播種期が早いとPolya-Eggenberger型の分布を, 播種期が遅いとPoisson型を示す傾向がある.
- 鹿児島大学の論文
- 1954-11-30