南九州産スギ肥培木材質に関する研究 : 第1報 飫肥スギ肥培木について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
以上飫肥スギ肥培木の組織についてその一端を調査, 研究してみたが, 試料が少ないので結果が充分でないことが遺憾である.かつ供試のスギはいずれも樹齢若く, 未成熟木であるので, 渡辺等の報告に示されるようにその性質も固定していないので, これは将来の研究にまたねばならない.現在この程度の飫肥スギについては, 次のような傾向が見られる.すなわち飫肥スギについて(1)仮道管の長さは, 肥培木最大で, 畑地跡に植林したものこれに近く, 無肥培スギが最小である.また早材部と晩材部については, 晩材部の方が長い.(2)仮道管の径については三者の間に大した区別はない.(3)仮道管膜壁の厚さは, 肥培スギが若干厚いという程度である.(4)有縁膜孔の大きさは三者差がない.(5)切線断面における放射組織の構成細胞の幅および高さは, 三者間に差がないが, 放射組織の高さおよび細胞数については, 肥培木と対照木との間には, 相当の差が見られ肥培木は高さ大なるものが多くこれは飫肥スギ肥培木の特質と思われる.(6)樹脂細胞が肥培木に多く見られる.
- 鹿児島大学の論文
- 1968-02-15
著者
関連論文
- 肖楠木(Libocedrus formosana Florin)の機械的性質について(第I報)
- 南九州産木材の機械的性質に関する研究 : キリシマアカマツの強度について
- 南九州産スギ肥培木材質に関する研究 : 第1報 飫肥スギ肥培木について