米麦に対する珪酸の生理的機能に関する研究(第一報) : I.珪酸施用が無機成分の穂への移行に及ぼす影響について
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概要
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水稲栽培にあたり施用した珪酸が吸収された無機成分の穂への移行に及ぼす影響について水耕培養法により試験した結果次のような成果をえた.1)草丈・稈長・茎数・穂数等に好影響を及ぼし, 出穂勢が高められ, 乾物量も増加した.2)茎を除く穂・葉身・葉鞘・根等の水分含有率は成熟するにしたがい減少してゆくが, 珪酸を施用すると減少が早められるようである.3)珪酸を施用したもののN含有率は全生成期間にわたり各部分ともやや低くなつているが, 乾物量が増加しているので吸収量は2.8〜26.1%増加し穂への移行はやや早められている.4)P_2O_5の含有率は珪酸施用によつて各部分とも低くなり, 吸収量はNの場合とは逆に5.2〜25.9%少なくなつている.しかし吸収されたP_2O_5の穂への移行はやや早められている.5)K_2O含有率は珪酸施用により穂・葉身・根などでは低くなつているが, 葉鞘や茎では逆に高くなつている.移行にあたつては葉身や葉鞘に残る割合が多く穂へ移行する割合が減少している.6)CaO含有率は珪酸施用により穂・葉身・茎では低くなつているが, 葉鞘・根では高くなつている.吸収量は15.0〜20.1%増加し, 穂への移行はK_2O同様抑制されている.7)MgO含有率は珪酸施用により穂・葉身・葉鞘では低くなつているが, 茎や根では高くなつている.吸収量は13.0〜74.0%増加し, 穂への移行はK_2O, CaOと同様に抑制されているが, CaOの移行率22〜23%に対し44〜46%で多量である.
- 鹿児島大学の論文
- 1963-03-25
著者
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