中心商店街の再生(<特集>地域経済)
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概要
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都市の中心商店街は,商業のほか文化,行政などの多様な機能を有しており,「都市の顔」となっている。その中心商店街は,商店形態の多様化,中心力の拡散などの多くの課題を抱え,長期的に衰退の傾向にある。その中心商店街が衰退している原因としては,人口の少子・高齢化,経済の長期停滞などのほか,行政による街づくり政策と商業政策の失敗のほか,都市における住宅や商業施設,行政施設などの郊外化と商住の分離,街づくりの権限・責任と実行力ある街づくり主体の欠如という本質的な問題がある。これからの新しい時代における21世紀型の中心商店街としては,楽しいこと,新しい発見による驚きという魅力のある街づくりが求められる。このため,新しい時代の中心商店街のコンセプトは「エンターテイメント都市」である。そのうえ,消費者に対して新しいライフスタイルを創造し,提案する「ピッチャー型の街づくりの経営主体」を構築することが必要である。また,商店が集積する空間としての中心商店街の「形」としては,線的な「沿道型の街」づくりから抜け出し,面的な広がりのある「広場型の街」づくりに転換し,多様な楽しみのある「演出」をすることが必要である。
- 2006-03-31