食塩摂取量と尿中食塩排泄量との関係 : 新カリキュラム体制における学生実験の新たな取り組み
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概要
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栄養士法改正に伴う管理栄養士・栄養士養成の新カリキュラム体制における新科目『栄養学総論実験』の授業内容に本実験を取り上げ、食塩含量が異なる食事を摂ったときの尿中排泄食塩量を測定することによりヒトを対象としたナトリウムの体内環境恒常性の維持機構を学ぶと共に、摂取食塩量を推算する試みを行った。尿中食塩含量の測定には、汁物などの食品中の塩分を測定する塩分計を用いた簡易法とモール法による沈殿滴定法の両者で行い比較した。その結果、実験者の不慣れや塩分計がおおまかな表示であったこともあり多少の誤差が生じたが、簡易法は自分自身の尿を簡単に測定することができ、しかも学生全員が自ら実験を実施することができるため、特に精密さを要求されないような場合はこの方法を用いることは妥当であると考えられた。食事内容は各自の判断で食塩量を控えた食事または普通食(「減塩食」)と積極的に塩分を摂取する食事(「増塩食」)の2種類を設定したが、大多数の者がその増減に対応した排泄量を示したものの、「減塩食」摂取時の方が「増塩食」摂取時よりも食塩排泄量が多かった学生もいた。履修者が2年生ということもあって、食品に対する知識不足が伺えた。排泄量から摂取食塩量が推測されるため今後この授業を進めていく上で、普段の食事、即ち各自の味覚に沿った食事摂取を実験項目に加えたならば、日常の食塩摂取状態を知ることができ、現在の食生活を見直すきっかけになるものと思われた。尿中への食塩排泄に関しては、観察した期日内では食事時間による影響は見られず、また時間経過による何らかの傾向も認められなかった。しかし、尿量と食塩排泄量とは正の相関が見られ、過剰に摂取された食塩は多量の水の摂取により、共に排泄が促進されることが推察された。
- 2004-03-31
著者
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