"生活者"という視点を重視した看護の実現 : 仏教の教えを手掛かりとして
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概要
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本論文は看護の思考過程を通して「科学的思考」ということの特徴や限界を宗教,特に仏教の視点から考察し,宗教が看護にどのように取り入れられているのか,患者を全人的に理解することや"生活者"という視点を重視した看護の実現とはどのようなことなのか試論を展開した。仏教では人間の避けられない苦しみに「生・老・病・死」の「四苦」をあげている。看護は人びとの「生・老・病・死」という命の営みの全過程に関わる。「老」・「病」・「死」があることによって,人の命を見つめ,毎日の生活に対してのものの見方や考え方がいかに重要であるかを考えていくことができる。すなわち宗教,特に仏教は看護者や人びとに生きるための価値判断を示し,心の拠り所となり,看護者も含めた人びとに力を与え,"生活者"という視点を重視した看護が実現できるのである。
- 2006-03-31