命令・祈願・感嘆表現の統語構造をめぐって
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概要
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本論では,日本語における主文表現の中から,命令・祈願・感嘆表現を取上げ,それらの統語構造について,基本的な性質を検討する。これらの表現の統語構造には,(i)動詞の形態変化,(ii)モダリティを示す補文標識(iii)モダリティを表わす語彙要素,が見られるが,本論では,これらの表現のうち,「こと」「ように」という共通する形態を文末に伴うものを主に議論する。特に(i)(ii)に関しては,動詞の取りうる形態変化上imperativeと,補文標識によって示されるsubjunctiveの相違,また,(iii)に関しては,補文埋込み構造を有する構造について,考察する。具体的には,これらの表現と,主文現象としての丁寧表現との共起が許されるかどうか,また,これらにおいて,非主文現象および名詞性の指標としての「が・の」交替現象が起こるかどうかについて観察し,これらの表現の統語構造を探る手がかりとする。
- 神田外語大学の論文
- 2006-03-31