学習信条と学習効果 : BALLIを使用した調査
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概要
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本稿の目的は,Horwitzの作成した学習信条に関する調査項目を日本の学生に適した形に修正し,その調査結果から,習熟度の高い学生と低い学生との差を示す項目を明らかにすることである。学習信条は,学習者の言語学習ストラテジー使用に大きくかかわり,学習効果を挙げるために指導者として学習指導に際して考慮しなくてはならない点である。今回の調査で明らかになった学習者間の差異は以下のカテゴリー,および項目である。(1)学習の困難さ 将来英語がうまく話せるようになると思う。(2)外国語学習の適性 外国語ができる人は頭が良い。(3)外国語学習の本質 英語の背景にある文化について学びたい。英語を話すには英語圏の文化を知る必要がある。英語を勉強すると,日本の文化もよく理解できるようになる。英語の学習で最も重要なのは,単語・熟語を覚えることである。英語の学習で最も重要なのは文法である。外国語を学ということは他の学問を学ぶこととは異なる。英語学習で最も重要なのは日本語から英文にする方法を学習することである。教科書がないと英語は勉強できない。日本人の先生より,外国人に英語は習いたい。(4)学習ストラテジーとコミュニケーション・ストラテジー 宿題は必要である。私は外国人と友達になりたい。(5)動機と期待習熟度に影響を及ぼしている項目はない。(6)学習者の自律 自分達でその日の学習内容を決めるのは,効果的ではない。指導者がいないと,英語の学習はできない。授業中の活動は,クラスがみな同じ活動をする方が良い。
- 2006-03-25