看護理論と介護福祉学・実践に関する研究ノート(1)
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概要
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介護福祉の概念規定としては、「専門的な対人援助を基盤に、身体・精神・社会的に健康な生活の確保と成長・発達を目指して、クライエントが満足できる生活の自立を図る」(社会福祉実習のあり方に関する研究会より引用)と理解している。介護福祉は新しい分野であり、介護福祉に関連する周辺科学を応用し、介護独自のエッセンスを取り入れながら、更に発展する形で援助の方法論を形成する必要があると考えている。そのキーワードは「生活援助」である。他の学問でも「生活」に関する援助方法論を展開するものは多く見られる。最近、医学・看護を始めいろいろな分野でも人間の日常生活に着目して援助する視点が展開されている。先ず今回はナイチンゲルのノーツ・オン・ナーシングを中心にし、その他ペプロウやヘンダーソン、オレム及びロイなどの看護理論を概観し、介護福祉の概念や援助方法との共通点や両者の独自性を探り、考察を試みた。改めて看護理論の構造が人間の生活や環境と深く関係することに気づいたことによって、より看護と介護の共通点や独自性を研究する必要性を感じた。著者自身は介護福祉士としての実践経験が皆無であるという欠点をカバーし、より実践的な介護福祉学を追求するために、今後関係する様々な立場のケアワーカーと共同研究をすすめ、介護福祉学確立へ向けて微力を尽くしたい。
- 2006-03-25