広島県庄原地域の中新統備北層群の十脚甲殻類化石群集
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概要
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広島県庄原地域に分布する,中部中新統備北層群是末累層から5科9属10種の十脚甲殻類化石を得た.今回,それらを種の組み合わせおよび優占種をもとに化石群集の識別をおこない,構成種の現存する同属もしくは近縁な属の生態的特性などを参考にして化石群集の生息環境について,次のように考察した.そして,(1)Eucalliax yatsuoensis-Callianassa nishikawai化石群集:内湾潮間帯砂泥底(2)Miosesarma japonicum化石群集:下部浅海帯上部泥質底,(3)Carcinoplax antiqua化石群集:上部〜下部浅海帯上部砂底もしくは砂泥底.これらのうちMiosesarma japonicum化石群集およびCarcinoplax antiqua化石群集は,瀬戸内区西部地域において認められたはじめての浅海帯群集である.また,識別された3化石群集の生息環境をもとに是松累層の古環境の推定もおこなった.庄原地域における是松累層堆積時の古環境は内湾潮間帯〜浅海帯の環境のひろがる温暖な海域であったことが推定される.
- 地学団体研究会の論文
- 1997-03-25
著者
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