砂岩の化学組成,後背地と造構場 : 2.Al_2O_3/SiO_2-Basicity Indexダイアグラムへの粒度の影響とニュージーランドの再循環テレーンおよび中変成岩テレーンへの応用
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概要
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Kumon and Kiminami (1994)のAl_2O_3/SiO_2-Basicity Indexダイアグラムを使って,ニュージーランドのいくつかの再循環性堆積岩層についての全岩化学組成を検討した.その結果,再循環性の堆積物が,Basicity Index (B.I.)が0.1以下,Al_2O_3/SiO_2が0.1〜0.2以下というダイアグラムの上で特徴的な位置を占め,相対的な再循環の度合いも表された.このような特徴は,このダイアグラムが再循環性の堆積物にも有効であることを示している.TorlesseおよびCaplesという対照的なテレーンを起源とする緑色片岩相の変成堆積岩のデータは,もとの砕屑物の化学的特徴が保持されており,同ダイアグラムを使って簡単に両者を区別することができることを示した.このことや緑色片岩相から角閃岩相までにいたる同一の地層群が同じ化学組成をもつという結果は,変成作用が総化学組成において不変であることが仮定できれば,このダイアグラムが中程度の変成岩類へも適用できることをしめす.細粒砂から粗粒砂にわたる粒度と組織の違いによる影響は比較的小さいが,隣接するフィールドに間違って分類される可能性はある.MMAおよび再循環性堆積物においては,粒度分布の両端にあたる砂と泥の間での分別は極めて大きいが,EIAとIIAの例においては,その効果はそれほど大きくない.これらの例は,同一の堆積層からいくつかの砂岩についてのデータが得られて,指標値の分別や極性の強さを見積ることができるならば,より泥質な岩石についてもこのダイアグラムが適用できる可能性を示している.
- 地学団体研究会の論文
- 1996-05-25
著者
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