砕屑岩類の全岩化学組成研究の意義
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概要
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砂岩や泥岩の全岩分析に基づく地球化学的研究は, 最近, 砕屑岩の研究分野の1つとして広く行われるようになった.これらの研究の多くはXRFやICP-MSといった標準的で広く使われている分析手法により得られる主要元素および微量元素組成に基づいている.その元素組成の特徴から, 後背地の地質, 造構場, 風化作用と造構運動, 分級作用, 重鉱物の濃縮および再堆積などの様子が解明される.データの解釈は, 移動しやすい元素(例えば, Ca, Na, K)や, 堆積の過程で集積する傾向がある移動しにくい, もしくはほとんど移動しない元素(たとえばSi, Th, Zr, Sc, REE)の存在度や比をもとにした議論に基づく.本論ではニュージーランドと日本の堆積岩層の分析結果をもとに, 元素組成の特徴とその解析の手法を簡単に紹介する.地球化学的手法は伝統的な堆積岩岩石学的手法を補足する貴重な方法である.また, これは続成作用もしくは変成作用などにより堆積岩の記載岩石学的解明が難しい場合にも応用できる.地球化学的研究は, 岩石学的検討や地域地質やその他の情報と組み合わせることにより, 地質体の性質, 発達および相互関係を解明する鍵となる.
- 2000-09-25
著者
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Roser B
Department Of Earth And Planetary Sciences Hokkaido University:(present Address)department Of Geosci
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Roser Barry
Department Of Geoscience Shimane University
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Roser Barry
Department of Earth and Planetary Sciences Hokkaido University:(Present address)Department of Geoscience, Shimane University
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