中期中新世のカシパンウニ化石Echinarachniusに見られるトウカムリ科巻貝による捕食痕
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
石川県加賀市の大聖寺層から産出したEchinarachnius microthyroidesに見られる捕食痕について研究した.捕食痕は産出した241個体中120個体から見つかった.捕食痕率はカシパンウニの大きさにより大きく異なり,長さ28mm以下の個体では22.0%であるのに対して長さ28mm以上の個体では69.5%であった.円筒型で2〜3mmの修繕跡のない小さな径を持ち,酸によるエッチングが見られ,複数の穴が開けられている個体は6.7%とまれであることからLiracassis japonicaのように殻高数cmのトウカムリ科巻貝による捕食痕と考えられる.ほとんどの捕食痕は完全で,反口側に開けられていることから,捕食者はカシパンウニの上部(反口側)から襲いかかったものと推定される.Echinarachnius microthyroidesはトウカムリ科巻貝により捕食され,波の影響により浅い海に集積したと考えられる.
- 地学団体研究会の論文
- 2004-09-25
著者
関連論文
- 福井県丹生山地から見出された加久藤テフラ(Kkt)とその意義
- 福井県あわら市弁天岬の水中火砕岩中から産出した貝化石群
- 福井県越前海岸沿い断層群の活動履歴について
- 福井県北部加越台地の海成段丘堆積物から産出した貝化石
- 405 離水海食洞と越前海岸の隆起
- 越前海岸に発達する海成中位段丘群の対比と隆起速度
- 福井県丹生山地の段丘堆積物から見いだされた姶良 Tn 火山灰層および大山倉吉軽石層とその意義
- 中期中新世のカシパンウニ化石Echinarachniusに見られるトウカムリ科巻貝による捕食痕
- O-283 石川県加賀市の大聖寺層(中期中新世)から産出したカシパンウニ化石 Echinarachnius に見られる捕食痕
- 56 北陸地域における新第三系の層序対比と新第三紀古地理
- 福井県中新世国見累層の古地磁気層序
- 福井県内浦地域の中新統層序と浮遊性有孔虫化石
- 福井県北部の中新統から産出したウバザメ属の鰓耙化石について
- 福井県及び石川県南部から産出する中新世大型甲殻類化石
- 52 福井県丹生山地北部の新第三系
- 福井県越前海岸沿い断層群の活動履歴について
- 石川県加賀市山代の河南層(中期中新世)から産出したTelescopium schencki
- 39 福井県丹生山地の新第三系における古環境の変遷と貝化石群集(地域地質)
- 内浦層群のチャネル構造(フォト)
- 福井県内浦層群から産出したオオグソクムシ(甲殻綱,等脚目)化石
- 福井県西端, 内浦湾岸の新第三系 : 第三紀
- 福井県あわら市の海岸に打ち上げられたニ枚貝に見られる捕食痕
- 石川県加越地域の中新統から産出した浮遊性有孔虫化石
- 福井県西部の中新統内浦層群から産出したウミガメ化石
- 福井県大飯郡高浜町地下の自然貝層--貝化石群集の解析による古環境の復元と14C年代