形態および遺伝的に異なる2つの型のヒザラガイの存在(<特集号>第2回国際ヒザラガイシンポジウム)
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概要
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ヒザラガイAcanthopleura japonicaには殻板が黒色から濃い茶色の型と褐色で頭板以外に2つの茶色の斑紋のある2つの型があることがわかった。両者はミトコンドリアDNAのCOI領域の塩基配列も異なっており,前者をForm A(クロ型),後者をFormB(メダマ型)とした。宮城県などの東北地方にはForm Aのみが生息し,広島県などの瀬戸内海にはForm Bが,本州中部の静岡県下田市の鍋田湾などでは両者が混在していた。鍋田湾では沖側の岩にはForm Aが生息し,陸側に行くにしたがってForm Bの割合が増加していった。Form Aは大潮時のタ方の満潮時前後に放卵・放精し,Form Bの放卵・放精は明け方に見られた。卵の色も両者では異なっていた。以上のことから,両者は生殖的に隔離された姉妹種とするのが適当と考えられる。
- 日本貝類学会の論文
- 2006-05-31
著者
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大越 健嗣
Department Of Biological Engineering Ishinomaki Senshu University
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濱口 昌巳
National Research Institute of Fisheries and Environment of Inland Sea
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