アミロイド沈着を伴う脾炎症性筋線維芽細胞腫瘍の1例
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概要
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炎症性筋線維芽細胞腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor;以下,IMTと略記)は,筋線維芽細胞の増生と炎症細胞浸潤からなる腫瘤性病変で,肺の炎症性偽腫瘍の検討から発見され,身体のあらゆる部位に発生することが明らかになったが,その本質が炎症性か腫瘍性かで論議されている.今回,我々は脾IMTの1例を経験したので報告する.症例は32歳の女性で,腹痛で受診した.血液検査で白血球増加と貧血を認め,腹部単純X-P, US, CT, MRI,血管造影検査で脾腫瘍と診断され脾摘出術を施行した.摘出標本でアミロイド沈着を伴う脾IMTと診断された.術後,白血球数,貧血は改善し,1年10か月の現在,再発の徴はない.自験例は本邦報告2例目の脾原発例で,さらにアミロイド沈着を伴う症例は今までに報告がなく,極めてまれと思われた.また,ALK-1陰性で,AA-typeのアミロイド沈着であり,炎症性病変を示唆するものであった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2006-11-01
著者
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