地域社会の組織化と空間経営政策 : 合併協議会への消極的コミットメント(第4報告,自由論題報告,日本経営教育学会第54回全国研究大会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地域社会というひとつの生活空間の組織化は、経済原理の援用だけでは推し量れない要素を多分に含む。日常における我われの生活は、経済法則に準じる場面が多いけれども、そればかりではない。風土・風水、伝統・文化、慣習および政治的な諸要素にも影響を受ける。日ごろ営む我われの生活は、地域空間の特性と密接に関係する(渡辺,2004)。都市型の画一的な価値観に左右された施策ではなく、独自の活力源を活かした魅力ある"まちづくり"こそが合併問題の真の中心的課題である(松本,2003a;2003b)。事例として奈良県の下北山村における合併騒動をとり上げる。行政と住民との話し合いのなかで、行政区域と住民生活との空間的な齟齬が明らかとなる。行政は住民の意見の醸成を待つなかで合併協議会とは一定の距離を保つ。他の町村から合併に消極的とも非難されながらも、下北山村は独自の魅力をもつ山村集落としてのアイデンティティを獲得する。
- 日本経営教育学会の論文
- 2006-10-27