根粒菌(Rhizobium meliloti)との共生窒素固定能におけるMedicago属種間の変異
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概要
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世界的に広く分布するMedicago属の11種・亜種に岐阜大学で分離した根粒菌の6菌株を接種し,窒素固定能を比較検討した。アセチレン還元量と乾物重において種間に有意な差が認められ,Medicago属に共生窒素固定能の種間変異があることが明らかになった。多年生種M. sativa ssp. sativaとM. sativa ssp. falcataでは,供試の6菌株すべてが有効であったが,一年生種のM. rigidula, M. arabica, M. aculeataとM. rugosaでは4菌株だけが有効であった。菌の側から見るとこの6菌株はMedicago属の各種との親和性の分化が認められ,菌株GU94-1,GU95-1とGU96-1は一部の種において,窒素固定能がなかった。他の3菌株は供試全種に有効であったが,窒素固定能の程度は大きな差があった。6菌株いずれにおいても,根粒から分離された種と同じ種に接種したとき,その窒素固定能が一番高かった。宿主植物と根粒菌が親和性の最も良い組合せの相手を互いに選んでいることは菌株と植物種の共生関係の始点と考えられる。
- 1998-01-31
著者
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