ブタ指向性口蹄疫ウイルスに関する研究1.VP1に対する単クローン性抗体の作出とその性状(免疫学)

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1997年に台湾のブタに甚大な被害を引き起こしたブタ指向性口蹄疫ウイルス(FMDV)に村する単クローン性抗体(MAb)を作出するため,BALB/cマウスを生O/Taiwan/97 FMDVで免疫し,ハイブリドーマを作製した.蛍光抗体法で陽性を示した42のハイブリドーマを選択し,クローンを樹立した.マウス腹水を用いてMAbの性状を検討した.FMDVのキャプシド蛋白であるVP1に村するMAbの反応性をELISAにより調べた結果,25MAbが組換えVP1と反応した.O/Taiwan/97およびO/Taiwan/KM1/99に対する中和活性,アイソタイプ,およびFMDVのO血清型識別能において,VP1反応性MAbは同一の性状を示した.程度の異なるウイルス中和活性を有する18MAbのうちの8株は,O/Taiwan/97とO/Taiwan/KM1/99の識別が可能であった.O/Taiwan/97は,O血清型間で保存されているものとは異なる中和抗原を有することが示唆された.VP1に最も強く反応するクローンQ10E-3は強い中和活性を示したが,2種のO血清型を区別できなかった.また,中和活性を有しない7 MAbのうち5株は,2種のO血清型を識別可能であった.このことは,ウイルス非中和MAbにより認識されるO/Taiwan/97エピトープは,それぞれ異なることを示唆する.今回の報告は,ブタ指向性FMDVに対するMAbで最初のものであり,MAbの完全なセットは,病気の診断,予防,治療,および病原ならびに免疫学的研究に有用である.
2006-08-25

ブタ指向性口蹄疫ウイルスに関する研究1.VP1に対する単クローン性抗体の作出とその性状(免疫学)

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