生活史法に基づく教育実践(第18回社会調査の方法に関する研究会:質的調査の教育実践)
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概要
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社会調査士の資格認定制度もスタートしたが,社会調査の研究を学問としてさらに深めていくために社会調査史を調べる必要がある.その意味で月島調査は先駆的な業績である.生活史を調べる研究会は中野卓『口述の生活史』の出版を機に発足し今日まで続いている.質的調査による研究手法を用いる研究は当初は少数派だったが,最近は盛況を呈している.社会学を学ぶ学生は量的調査と質的調査の双方を勉強する必要がある.テーマ設定が自由な点に社会学の大きな強みはある.特に質的調査ではこの強みを活かせる.質的調査法は,範囲が広く,あらゆるものと隣接している.例えば,文学,歴史学,精神分析,文化人類学,マスコミ論,メディア論などまで含まれ,一つの科目分として整理されたものにはなりにくい.資格制度の認定機構が該当科目を定めても本来の質的調査に関わる専門性はそれを大きくはみ出すことを我々は認識する必要がある.質的調査法をさらに発展させていくためには調査倫理の確立やデータアーカイブの充実も急務である.
- 札幌学院大学の論文
- 2005-12-05
著者
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- 生活史法に基づく教育実践(第18回社会調査の方法に関する研究会:質的調査の教育実践)
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- 生活史調査の意味論
- 序
- 海外移住とエスニシティ
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- 特集にあたって(ジェンダー史とオーラル・ヒストリー)
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- 橋本みゆき著, 『在日韓国・朝鮮人の親密圏-配偶者選択のストーリーから読むの現在-』, (株)社会評論社, 2010年12月20日, 297頁