幼児への歌唱指導についての一考察 : 自分から歌う時の声域(I.教育科学系)
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概要
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本研究では,幼稚園における幼児への歌唱指導の際に留意すべき,幼児の声域について調べ,指導について考察した。千葉大学教育学部附属幼稚園の年長児21名を対象に,自由な遊びの時間を利用して担任教師が調査を行った。調査では伴奏なしで「カエルの合唱」「園歌」「好きな歌」を歌ってもらい,様子をビデオに記録した。調査後,ビデオを再生して個々の歌を採譜し,その調性や音域について分析した。その結果,伴奏なしで歌った場面でも原譜に比べて調の変動はそれほど大きくなかった。また,声域は多くの子が6度から8度位の幅で歌っていたが,「園歌」では21人の中で最低音と最高音が2オクターブ以上あり,個人差が大きいことが伺えた。幼稚園での歌唱指導の際には,教師が確かな音程で歌うことや,幼児の自分なりの表現を大切に育てること,幼児の声域の個人差を理解して指導していくことなどの重要性が示された。指導法や教材の研究を引き続き行っていくことが必要である。
- 2006-02-28
著者
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小林 直実
千葉大学・教育学部附属幼稚園
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鍛治 礼子
川崎医療短期大学・医療保育科
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紫竹 英恵
千葉大学・教育学部附属幼稚園
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宮野 モモ子
千葉大学・教育学部
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鍛治 礼子
川崎医療短期大学・医療保育科:(元)千葉大学・教育学部附属幼稚園
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