原価分解の一般的解法について : 高点低点法からの推論
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概要
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原価分解の方法のうち高点低点法と最小自乗法は公式を用いているにもかかわらず、相互の関連付けがなされないままに取り扱われているのが現状である。そこでは、高点低点法が便法としての位置付けがなされているだけであり、3個以上の原価データを同時に満足するには適用不能な方法であると理解されている場合が多い。換言すれば、高点低点法と最小自乗法とは計算原理の本質を異にしており、そこに同質性を見出すことは不可能であるという誤解があるように思われる。このような誤解が生ずる最大の理由は、高点低点法の公式を支える計算原理の本質が潜在化されていることにあるといえる。すなわち、高点低点法では、2点を結ぶ直線に特有な最終形式によって公式が示されてしまう結果として、原価関数と原価データとの間を結び付ける一般的な関係が明確化されていないことに問題がある。この関係を明らかにすることができれば、「差の自乗和の最小化」によって求めている最小自乗法も高点低点法と同様に「和の一致」によって求めている関係が理解できるようになり、一見矛盾するように思われるアプローチが実質的には同一の結果をもたらすことの意味を知ることができる。
- 拓殖大学の論文
- 2005-12-25
著者
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