無形資産の会計処理
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概要
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最近における無形資産の本質に関する議論は、急激な社会変化によって大量生産を支え続けてきた有形投資を中心とする企業戦略では平均的な投資利益の獲得さえ難しくなってきたことから、無形投資を通して達成される持続的な技術革新にますます依存せざるを得なくなってきている企業の実情を如実に反映している。現在までのところ、無形投資の効果については研究開発に限定した実証研究は存在するが、企業内努力全体の波及効果を対象にしたものは皆無に等しい。無形投資の効果は、例外的な場合を除き、市場との直接取引が成立する有形投資のように反復的なフロー勘定によって継続的に捉えることができないだけでなく、投資企業に限定されるものではないので、その測定の範囲および方法を見出すことは極めて困難である。確かに、企業レベルでの無形投資の効果を測定する場合、企業の専有メカニズム(appropriability mechanisms)の有効性が重要な役割を果たすことは事実であるが、無形投資の効果を形式的に保持することがますます困難になりつつある現状からすれば、無形資本と企業利益との関係は産業レベルで説明することができるに過ぎない。したがって、無形投資の効果をストック勘定によって直接捉えることは現在のところ不可能であり、フロー勘定をその内容に基づいて分類し、無形投資の支出効果が期待される範囲を分類表示するなどの工夫を加える以外に無形投資情報に質的広がりを持たせることはできない。
- 拓殖大学の論文
- 2005-08-31
著者
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