産褥早期の褥婦のグループによる出産体験の振り返りの分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
褥婦同士の出産体験の振り返りではグループの力に大きな意味があると考え,産褥早期の褥婦のグループによる出産体験の振り返りを分析し,その効果を確認することを本研究の目的とした。平成13年8月に産褥4日(帝切分娩の場合8日)の褥婦のグループに出産体験の振り返りを実施し(2〜8名のグループ,8回),終了後質問紙を配布,退院までに回収した(回収率89.5%)。分析に有効でない1事例を除く34名(初産婦17名・経産婦17名,経腟分娩31名・帝切分娩3名)の,出産体験および振り返りに関する質問への解答を分析,考察した。グループによる振り返りの場は,91%以上のメンバーによって程度の差はあるが「自分を理解してくれる,自分を同一化できるようなグループ」と受けとめられ,安心感とともに自己開示とカタルシスを可能にした。グループの中で,「出産体験は一人ひとり違う」ことに気づくとともに「自分の出産」として受容し,程度の差はあれ34名全員が「自分の出産はこれでよいのだ」と受けとめた。また自分のうちにある力に希望をもたらし,連帯感,仲間意識をも強めた。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
-
和田 サヨ子
聖母女子短期大学・聖母大学
-
東野 妙子
聖母大学看護学部看護学科
-
東野 妙子
聖母大学
-
和田 サヨ子
聖母大学
-
武田 とき子
社会福祉法人聖母会聖母病院
-
後藤 美穂
国際医療協力局派遣課
関連論文
- 分娩期実習における助産師学生の「自己への気づき」について
- 分娩介助実習における病院と学校の連携に関する一考察
- 出産を経験した女性の語りにみるスピリチュアルケア
- 専攻科におけるケアリングの学習過程--学生の自己開示度に着眼して
- O-080 第2子妊娠時に第1子の出産体験を振り返り語ることの意味(Group15 分娩4,一般口演,第51回日本母性衛生学会総会)
- バースレビューの方法 (特集 "産んでよかった"と実感できるように バースレビュー徹底研究)
- 産褥早期の褥婦のグループによる出産体験の振り返りの分析
- 出産体験の振り返りによる陣痛体験の分析
- 自分の誕生時の状況を知ることの意味--母親にインタビューした学生の受けとめを通して
- 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える : 体験を語る場を提供することの意味
- 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える--妊婦自身の流産体験および体験を語る場を提供し傾聴することの意味
- 397 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える(第1報) : 妊婦自身の流産体験の意味づけ(その他2)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 展望・資料 スピリチュアルケアを取り入れた助産師教育の試み--陣痛体験の振り返りを通して
- 研究報告 専攻科生の学習過程の分析--自己認識を中心として
- 実習指導の経験交流[母性看護学実習]聖母女子短期大学 褥婦へのバックケアをとおして学ぶ母性看護学