出産体験の振り返りによる陣痛体験の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回の研究は, 出産体験の振り返り(以下レビューとよぶ)による褥婦の陣痛体験を分析し, 褥婦が陣痛体験をどのように自分のものとして受けとめたかを検討し, レビューの意義を確認することを目的とした。研究対象は2000年7〜9月にS病院で経膣分娩をした褥婦の中から無作為に抽出した26名のうち25名(初産婦13名, 経産婦12名)で, 対象が陣痛体験をどのように受けとめたか, レビューによってその受けとめがどのように変化したかを分析した。陣痛体験をほぼ否定的なものとして受けとめていた褥婦が, レビューにより肯定的な受けとめに変化したのが11事例に13件みられ, この他にも陣痛体験を意味ある体験として受けとめたのが9事例あった。また, レビューを受けた褥婦の体験として「自分の体験を確認できた」「改めて納得できた」など, レビューの意義を示唆したのが11事例に18件みられた。褥婦が否定的に受けとめていた陣痛体験を, あるいはあまり意識化されていなかったと思われる体験を自分のものとし, 意味ある体験として受けとめ自尊心を回復あるいは高めたと思われるレビューの意義は大きいと考える。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
-
和田 サヨ子
聖母女子短期大学・聖母大学
-
東野 妙子
聖母大学看護学部看護学科
-
東野 妙子
聖母大学
-
和田 サヨ子
聖母大学
-
武田 とき子
社会福祉法人聖母会聖母病院
-
青木 望美
社会福祉法人聖母会聖母病院
関連論文
- 分娩期実習における助産師学生の「自己への気づき」について
- 分娩介助実習における病院と学校の連携に関する一考察
- 出産を経験した女性の語りにみるスピリチュアルケア
- 専攻科におけるケアリングの学習過程--学生の自己開示度に着眼して
- O-080 第2子妊娠時に第1子の出産体験を振り返り語ることの意味(Group15 分娩4,一般口演,第51回日本母性衛生学会総会)
- バースレビューの方法 (特集 "産んでよかった"と実感できるように バースレビュー徹底研究)
- 産褥早期の褥婦のグループによる出産体験の振り返りの分析
- 出産体験の振り返りによる陣痛体験の分析
- 自分の誕生時の状況を知ることの意味--母親にインタビューした学生の受けとめを通して
- 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える : 体験を語る場を提供することの意味
- 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える--妊婦自身の流産体験および体験を語る場を提供し傾聴することの意味
- 397 過去に流産を体験した妊婦へのスピリチュアルケアを考える(第1報) : 妊婦自身の流産体験の意味づけ(その他2)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 展望・資料 スピリチュアルケアを取り入れた助産師教育の試み--陣痛体験の振り返りを通して
- 研究報告 専攻科生の学習過程の分析--自己認識を中心として
- 子ども立ち会い分娩を体験した母親の思い
- 病院における子ども立ち会い分娩の取り組み
- 実習指導の経験交流[母性看護学実習]聖母女子短期大学 褥婦へのバックケアをとおして学ぶ母性看護学