味覚感受性と食習慣及び食嗜好との関連性
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概要
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女子短大生を被験者とし,舌尖部における四基本味に対する味覚検査を濾紙ディスク法により,春季及び秋季に各2回行った。また,食習慣調査及び食品の嗜好度調査を行い,味覚感受性との関連を検討した。1)全測定の平均より,各味質において90%が味覚良好を占めた。しかしながら,いずれかの味質に対して味覚減退と思われる者は,27.9%であった。2)味覚感受性は秋季に上昇し,特に甘味,塩味及び酸味において顕著であった。これは,学習効果あるいは改善意識によるものと推察された。3)食習慣と味覚感度の相関が高い項目は,外食摂取,咀嚼,料理様式及び食品添加物への意識であった。4)一般に,嗜好意欲の高い食品は精白米,卵,鶏肉及び牛肉で,低い食品はパセリ,煮干し,ゆば及びレバーであった。また,味覚感度と相関の高い食品はかき,うなぎ,豚肉,たらこ,凍り豆腐及びグリンピースであった。5)味覚に対する関心及び味覚改善への意識は,食品添加物に対する意識を高揚させ,亜鉛含有量の多い食品の嗜好意欲も増進させるものと推察された。本報告の要旨は,第46回日本家政学会中国・四国支部大会において発表した。
- 2000-03-30