レインウェアの背部ベンチレーションが部位別衣服換気量に及ぼす影響

概要

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降雨下における着衣の濡れを防ぐために、スポーツや作業時にレインウェアを着用する。レインウェアは外部からの水を防ぐ一方、人体からの水分蒸散を阻害する。本研究では、レインウェアの背部に設けたベンチレーションを開口することによる蒸散のための換気効果を検討し、また、素材が衣服換気に及ぼす影響を調べた。素材の異なる同型のレインウェア2種を用いて無風下と風速0.9m・sec^<-1>の向い風における換気係数を求めた。背部ベンチレーションの開口は、無風下においてすべての部位の換気量を増加させた。また、向い風において背部の換気を増加させるが、上腕部や前腕部の換気量を減少させた。背部ベンチレーション開口により、15℃100RH環境における歩行運動(5km・h^<-1>)時の発汗に対する要求換気量を背部では得られるが、他の部位では得ることができなかった。各種条件下において熱負担度を低下させるためには、要求換気量を指標とする部位別換気量の評価や部位間気流についての検討が必要である。また、レインウェアの素材特性が衣服換気に及ぼす影響はベンチレーションの影響に比べて小さいが、素材布の力学的特性との関連を検討する必要がある。
2004-06-25