フタオビザルガイの〓歯と固着殻の逆転
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概要
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フタオビザルガイChama pulchellaは一般には左殻で固着する小型のキクザルガイ科二枚貝である。浮遊幼生期終わりごろの殻の大きさは, 殻長0.7∿1.1 mm程度で, 原殻に近い部分には針で突いたような微細な孔が多数あり, 周縁側の部分には放射状細肋がある。オーストラリア, 珊瑚海, フィリピン産の標本を観察した結果, クィーンズランド南部フレーザー島で採集されたフタオビザルガイ16個体中15個体は左殻固着で正常な〓歯を備えていたが, 1個体は右殻固着で正常な〓歯を持っていた。これまで, キクザルガイ科二枚貝の〓歯の研究では〓歯の逆転と固着殻の逆転は常に伴っていると考えられてきたが, 〓歯の逆転と固着殻の逆転は独立に起りうることが分かった。
- 日本貝類学会の論文
- 1997-10-31
著者
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松隈 明彦
Kyushu University Museum
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濱田 直人
Kumamoto University
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浜田 直人
Kumamoto University
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松隈 明彦
Paleobiology, Kyushu University
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濱田 直人
Paleobiology, Kyushu University
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スコット ポール
Santa Barbara Museum of Natural History
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