サルボウガイの殻体にとりこまれた砂粒
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概要
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サルボウガイの殻体は, 主に外層(交叉板構造)および内層(複合交叉板構造)よりなる。そして, その生長は腹縁において行われるが, その際にもし砂粒のような異物が, 殻体(外層)内表面と外套膜の間に挟まれると, 一旦交叉板構造の形成が中断され, Fig.1の場合は, 多少粗粒で円いアラレ石の結晶が砂粒の周りをとり囲み, Fig.2の場合は, 砂粒の下方に放射状の構造が現われ, Fig.3の場合は, 砂粒の周り或いは下方に, アラレ石の微結晶が取り巻きき, その後に再び交叉板構造を形成するようになる。したがって, 砂粒を含む新たに形成された外層は, 本来の外層との間に不連続を生じ, 明らかな境界が認められるようになる。これに類似した現象は, バイの殻口外唇の一部を切除した際の, 殻体の再生現象に酷似している。
- 日本貝類学会の論文
- 1989-10-31
著者
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