軟体動物細胞遺伝学的研究総覧 : コンピュータを利用した軟体動物染色体の検索システム CISMOCH を利用して : 二枚貝綱・多板綱・頭足綱
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コンピュータを用いた軟体動物の染色体情報の検索システムCISMOCHを基に, 現在までに報告された二枚貝綱・頭足綱の核の細胞遺伝学的研究結果を概観した。二枚貝綱については, これまで22科125種の染色体が調べられている。染色体数は2N=14∿48であり, 基本数(腕数)はFN=20∿76であった。多くのグループで, 核型の半分以上は中部もしくは次中部動原体型染色体によって構成されるが, イタヤガイ科・フナクイムシ科やイガイ科の一部では端部もしくは次端部動原体型染色体が高い割合で見られる。核型の多様性はイガイ科・イタヤガイ科で顕著であり, 一方イタボガキ科・カワシンジュガイ科・イシガイ科ではほとんど変異が報告されていない。多板綱については, 4科14種の染色体が研究され, 染色体数は2N=12∿26であった。染色体の形態については, このうち6種で報告があるが, 多くは中部もしくは次中部動原体型染色体型であった。頭足綱については, 2科3種の報告があるだけで, 染色体数は2N=52と56の報告がある。このグループの染色体の形態についての報告はない。
- 日本貝類学会の論文
- 1985-09-30
著者
関連論文
- 軟体動物の起源について, 特にリボソーム RNA を用いた分子系統樹に注目して
- (18) カワニナ属(前鰓亜綱 : 中腹足目)の研究 II : 琵琶湖産カワニナ類の染色体と種分化(予報)(日本貝類学会平成元年度総会)
- 21. カワニナ属(前鰓亜綱 : 中腹足目)の研究 I : 本邦産 5 種の細胞核当り DNA 量(日本貝類学会創立 60 周年記念大会(昭和 63 年度総会))
- E. R. トルーマ・M. R. クラーク編, 軟体動物 第 10 巻, The Mollusca, vol.10, Evolution, E. R. Truema and M. R. Clarke (eds.), Academic Press, 1985, 491pp.
- 原始腹足目の新上科 Neomphalacea
- 軟体動物細胞遺伝学的研究総覧 : コンピュータを利用した軟体動物染色体の検索システム CISMOCH を利用して : 二枚貝綱・多板綱・頭足綱
- 第 2 回 香港及び華南国際貝類研究集会の参加報告
- (16) コンピュータを利用した軟体動物染色体の索引システム CISMOCH (Computerized Index System for the Molluscan Chromosomes) について(予報)(日本貝類学会創立 55 周年大会(58 年度総会))
- ツタノハガイ超科 3 種の核学的研究
- A2 ニシキウズガイ類の染色体, 特にアシヤガイについて(日本貝類学会 61 年度総会)
- 14. アワビ類 (Archaeogastropoda : Haliotidae) の染色体(日本貝類学会 60 年度総会)
- 18. ヒロクチカノコガイDostia violaceaの染色体(動物分類学会第20回大会記事)