イボニシ Thais clavigera (Kuster, 1858) の二型
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概要
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和歌山県白浜町番所崎ではイボニシThais clavigera (Kuster, 1858)自然個体群に結節の形と殻の模様の異なる2つの型, Form CとForm Pがみられる。Form Cは結節がとがり, 殻表面の白い縦条が広く結節の先端に達する。一方, Form Pは結節が丸く, 縦条の幅が狭い。これらの二型は結節の形態を定量化し統計的に解析した結果, 独立の集団を形成していると判断された。二型は殻長組成においても異なり, Form Cの半分が20mmより大きいのに対し, Form Pでは20mmを超える個体は少ない。さらに二型間の交雑は131例中4例にすぎなかった。分類学的には, Form CはPurpura clavigera Kusterに, またForm PはPurpura problematica Bakerに対応すると結論されたが, 別種であるかどうかは今後の検討を要する。
- 日本貝類学会の論文
- 1985-03-31
著者
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