ヒザラガイの生殖腺と配偶子形成の組織学的研究
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概要
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ヒザラガイの生殖腺の構造と配偶子形成の過程を, パラフィン切片法を用いて観察した。生殖腺は, 殻板の直下の背動脈を取り囲む位置にある。卵巣, 精巣ともに生殖腺上皮から内側に膜状の上皮性組織(卵巣内襞, 精巣内襞)が伸びている。卵巣内では, 生殖腺上皮から卵巣内襞に沿って, 1) 卵黄を持たない前期卵母細胞, 2) 卵黄を蓄えた後期卵母細胞, 3) 球形で卵黄を蓄えた完熟卵母細胞の三つの時期のものが見られ, 卵母細胞の成熟が進むにつれて, 卵巣の内側背方に位置するようになる。また, 2), 3) のいずれかが崩壊している像が観察される。精巣では, その内襞の内側(基底膜の側)から精原細胞, 第一精母細胞, 精細胞の順に層状に並んで見られる。精細胞は精巣の内腔で完成した精子となる。
- 1986-07-31
著者
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