インド洋産キハダの胃中から出たトグロコウイカとチヂミタコブネ
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概要
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インド洋セイロン島沖で釣獲されたキハダの胃中から出たというトグロコウイカSpirula spirula (L.)とチヂミタコブネArgonauta boettgeri MALTZANの標本が著者の一人(鈴木)の所にもたらされた。トグロコウイカの棲息深度は上昇流のある特殊な場所でない限り200m∿1, 750mで, チヂミタコブネのそれは, 近縁のアオイガイ(カイダコ)の生態から表層からせいぜい150mくらいまで垂直移動するものと思われる。一方, キハダの遊泳水深はまた通常, 最大150mあたりと考えられている。これらのことから, このキハダはトグロコウイカの棲息範囲の殆ど上限あたり(かつチヂミタコブネの垂直移動の下限あたり)で摂餌したものではないかと思われる。これらの試料がそれぞれの種の棲息水深に関する情報上興味深いと思い, ここに報告する。
- 日本貝類学会の論文
- 1975-04-30
著者
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