半健康様相の構造化と指数化
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概要
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1986年にWHOによって全世界に向けて提唱されたヘルスプロモーションの背景には,慢性・非感染性疾患に起因する健康問題の深刻化が存している.それはまた我が国の健康問題の現代的特徴ともなっている.本論では疾病の自然史の視点から健康状態の可変性・連続性を踏まえ,その水準の段階化を図り,過渡的段階のひとつとして半健康を位置づける.半健康の状態評価の視点として,その様相の構造化と状態の指数化を考える.前者は半健康状態についての質的解明の立場であり,状態の多次元構造とその構成尺度の抽出に焦点が当てられ,種々の多変量解析的手法の適用を方法論的特徴としている.後者は状態の量的解明が主な関心事となり,連続的変動パターンを前提とした指数化モデルが導出される.半健康の指数化が図られることによって,半健康の状態的判別や指数曲線表記による状態的カットオフ値の特定も可能になる.さらに,半健康の状態的評価の観点として導出される尺度から成る構成空間を用いることで,半健康状態の評価パターンが得られる.この評価空間の適用により,半健康の静的な状態評価のみならず動的な評価を展開することも可能になる.本論では,スクリーニングや健康増進への取り組みの動機づけ等,ヘルスプロモーションの実際的展開における第一次予防的視点からの活用の可能性等について論及する.
- 山口大学医学会の論文
- 2006-06-30
著者
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