陣痛室における夜勤帯の1対1看護の導入を試みて

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陣痛室での看護の良し悪しは,分娩の満足度を大きく左右するといわれている。しかし,夜勤帯で産婦の入院が重なると,スタッフがずっと付き添うことば困難となる。当院は以前から,夜間の緊急手術や分娩が重なったときなどの処置介助に備え,連日5〜6名の助産師と看護師を待機させてきたが,これまで実働する回数は非常に少ないものであった。そこで2003年8月からは,夜勤帯に産婦の入院が重なったときは,この待機スタッフを呼び出すことにして,陣痛室における夜勤帯の1対1看護を導入した。導入前の2002年8月〜2003年7月までの1年間では,27回,延べ67人の呼び出しがあったが,導入後の2003年8月〜2004年7月までの1年間では,78回,延べ141人に増加した。このうち,1対1看護のための呼び出しは,50回,延べ64人で,このために要した経費は,1年間で240,000円であった。退院時のアンケート調査を使って,分娩に対する産婦の満足度の推移を検討した結果,1対1看護の導入を契機に満足度は有意に増加し,不満な意見は減少傾向がみられた。しかし,有効陣痛開始前からの1対1看護を要望する産婦も多いことや,看護師よりも助産師を呼び出しがちになるため,次の勤務に支障が出ることなどが問題点であった。
日本母性衛生学会の論文

陣痛室における夜勤帯の1対1看護の導入を試みて

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