当院における重症先天性心疾患に対する超音波スクリーニング検査の成績と問題点

概要

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最近, 重症先天性心疾患の出生前診断が児の予後を左右する重要な因子として認識されているため, 当院でも2000年10月から, 妊婦全例に対する胎児心臓スクリーニング検査を開始した。スクリーニング導入前の1996年1月〜1999年12月までに分娩した3,403例と, 導入後の2001年1月〜2004年6月までに分娩した2,726例のスクリーニング成績を比較した。導入前の重症先天性心疾患は8例で, 出生前診断は1例(12.5%), 出生後診断は7例(87.5%), 導入後は11例で, 出生前診断は8例(72.7%), 出生後診断は3例(27.3%)と, 導入前に比べ導入後は出生前診断率が大幅に上昇した。導入後の出生前診断8例中5例の異常検出断面は四腔断面で, 残り3例の異常検出断面は左右心室流出路であった。今後さらに出生前診断率をよくするには, 3vessel view の観察やカラードップラーによる四腔断面の観察, および妊娠後半期の再検が必要であると思われた。
日本母性衛生学会の論文