VEGFRとEGFRチロシンキナーゼの両方を標的とする選択的阻害剤ZD6474について(セッションIV,第20回日本肺癌学会肺癌ワークショップ)
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概要
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ZD6474は,細胞増殖に関わる二つの重要なシグナル伝達経路に選択的に作用する新規の小分子化合物で,血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害することで,腫瘍の血管新生を抑制し,あわせて上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼを阻害することで,腫瘍の増殖を直接抑制する.1日1回の経口投与により広範囲の移植ヒト腫瘍モデルに対し優れた増殖抑制効果を示した.本邦および米国/オーストラリアで実施された二つの第I相試験の結果,ZD6474の忍容性は概ね良好であった.主な有害事象として,皮疹,下痢,高血圧,無症候性のQT延長が認められた.また,本邦の第I相試験では,非小細胞肺癌患者9例中4例に奏効例が認められた.ZD6474の第II相試験として,非小細胞肺癌患者および小細胞肺癌患者を対象に,ZD6474単独療法および化学療法剤との併用療法による検討が行われ,非小細胞肺癌患者を対象に実施されたゲフィチニブ(イレッサ^<TM>)と比較するZD6474単独療法の第II相試験およびZD6474とドセタキセルの併用療法による第II相試験において,主要評価項目である無増悪生存期間の改善が認められた.
- 2006-06-20
著者
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