原子間力顕微鏡による機能分子の特異的な分子間相互作用力の直接測定と評価(<特集>原子をみる)
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概要
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近年,原子間力顕微鏡をフォースセンサーとして用いる分子間相互作用の直接測定が,様々な分子対について報告されている.その原理は,探針と基板表面にそれぞれ相互作用する分子をチオールやシラン誘導体の自己集合単分子膜により化学的に固定化し,両者の間に生じる力を測定することに基づく.この手法は,分子間力のメカノケミカルな測定に基づく新規な分析技術へ発展する可能性を秘めている.本研究では,機能分子を化学修飾することにより,この測定手法を用いて,それらの有する特異的な分子間相互作用力を直接測定することを試みた.機能分子として,分析化学的に重要なホスト分子であるクラウンエーテルや尿素誘導体,また,光応答機能を有するフォトクロミック分子であるスピロベンゾピラン誘導体を測定対象に選んだ.それぞれの分子が示す特徴的な相互作用力の測定と単一力の評価の結果を示すとともに,この手法の分析化学的な応用展開について記述する.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2006-06-05
著者
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