CMI抑うつ関連項目が陰性のうつ病患者の特性と治療経過について
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概要
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抑うつ症状を伴う疾患は多岐にわたる一方,抑うつ気分を自覚していないうつ病者の存在も従来から指摘されている.著者の1人ガ運営する精神科ワリニックを初診した1,544症例について,DSM-IV診断とCMlにおける抑うつ関連項目(N項目)のチエック状況との関係を調べ,N項目6問中すべてにチエックがないうつ病患者群66例を「自覚的抑うつ気分なし」としてその背景,症状,治療経過などを検討した.このような患者は,女性よりも男性に多い傾向を示した.また,さまざまな身体症状に関する愁訴で精神症状をマスクするという新福の仮面うつ病の特徴に類似していた.治療経過は,全般的改善度が47.1%であったが,大うつ病性障害に限ってみると38.1%であり,必すしも良好とはいえす,患者の病識,治療への抵抗をめぐる問題,誘因となった心理的要因への対応や就労に関する問題など,治療的課題がいくつか認められた.
- 日本心身医学会の論文
- 2006-05-01
著者
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