ウメ'南高'の開花時期,採取時期と果実成分の関係およびそれらを原料として製造した梅酒品質への影響(栽培管理・作型)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウメ'南高'果実の開花期の早晩,採取時期,果実の大きさと果実および加工した梅酒の品質成分との関係について検討した.完熟果落下盛期直前まではクエン酸含量は増加傾向であり,早期に開花した果実は肥大が緩やかで,果肉(果皮を含む)のクエン酸含量やβ-カロテン含量の最高値は,中晩期に開花した果実の最高値よりも低かった.梅酒のクエン酸含量,ポリフェノール含量,抗酸化能,褐色度は完熟落下盛期直前までは原料果実の採取が遅いほど増加傾向を示した.また,同一日に採取した果実では果実が大きいほどクエン酸,リンゴ酸,ソルビトール,β-カロテン含量が高い傾向であり,出荷階級2L以上(選別基準直径37mm以上)の大きい果実を用いると梅酒のクエン酸含量,ソルビトール含量,褐色度が高い傾向であった.以上のことから,果実の採取時期や大きさは果実および梅酒加工品の品質に大きく影響を及ぼすことが明らかとなり,総合的にみて梅酒づくりには発育ステージが進み,果実肥大が進んだ果実が適すると判断される.
- 2006-06-15
著者
-
根来 圭一
和歌山県農総技セ果試うめ研
-
山田 知史
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
-
大江 孝明
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
-
桑原 あき
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
-
菅井 晴雄
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
-
桑原 あき
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所:(現)和歌山県果樹園芸課
-
菅井 晴雄
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所:(現)和歌山県果樹試験場
関連論文
- '南高'と'地蔵'の交雑によるβ-カロテン含量の高い自家和合性ウメ品種の育成
- ウメ新梢の低温ストレスに対する反応
- ウメの新梢におけるアントシアニン含量の品種間差異
- ウメの緑枝挿しにおける発根および新梢成長の品種間差異
- 育種素材探索を目的としたウメ果実の品質成分および形質の品種間差異
- SSRマーカーによる花ウメ品種の遺伝的多様性解析
- カンキツ'清見'の春夏肥窒素の吸収移行
- ウンシュウミカンにおける葉面散布を活用した効率的な施肥法に関する研究 : (第2報)収穫後の尿素葉面散布の吸収と移行
- ウンシュウミカンにおける葉面散布を活用した効率的な施肥法に関する研究 : (第1報)夏期の尿素葉面散布の吸収と移行
- 高地温がウメ樹体に及ぼす影響
- 加工方法の違いが梅酒およびウメ糖抽出液の品質に及ぼす影響
- 異なる熟度で収穫したウメ'南高'果実の追熟期間が果実および梅酒の品質に及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
- 異なる温度条件下での1-MCP処理がウメ'南高'果実の品質に及ぼす影響
- 加工方法の違いが梅酒および糖抽出液の品質に及ぼす影響
- ウメ'南高'の地温に対する樹体反応 : (第2報)高地温条件下における土壌水分の違いが樹体に及ぼす影響
- ウメ'南高'果実の貯蔵温度が果実品質に及ぼす影響
- ウメ'南高'における梅酒用果実の熟度指標に関する研究(栽培管理・作型)
- ウメ'南高'果実の採取時期, 採取後の熟度進行と梅酒品質
- ウメ'南高'の開花時期,採取時期と果実成分の関係およびそれらを原料として製造した梅酒品質への影響(栽培管理・作型)
- ウメ'南高'果実表面の紅色着色と品質成分
- ウメ'南高'果実の発育と梅酒の機能性成分
- 果樹研究最前線(192)ウメ「南高」果実の追熟が果実および梅酒中の機能性成分に及ぼす影響
- 根域の肥料濃度の違いがウメ幼木の生育に及ぼす影響
- 果樹研究最前線(154)ウメ「南高」果実の黄色・紅色着色と機能性
- ウメ'南高'果実の形態と機能性成分
- 異なる土壌水分がウメ'南高'の水分生理におよぼす影響
- 伝統的健康食梅の科学 : 梅の加工品づくりは熟度が決め手
- 根域の肥料濃度の違いがウメ幼木の生育に及ぼす影響
- 加工方法の違いが梅酒およびウメ糖抽出液の品質に及ぼす影響
- 高地温がウメ樹体に及ぼす影響