サルの自然発生歯周炎におよぼす咬合性外傷の影響について
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概要
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サルの自然発生歯周炎におよぼす咬合性外傷の影響について検索を行った。実験には上顎左右第2小臼歯に自然発生の歯周炎を有するサル5頭を用いた。咬合性外傷の惹起方法は,北村の方法を用いた。臨床診査は,歯の動揺度,Gingival index,X線写真撮影を行った。また,各動物は実験期間終了後すなわち,2, 4, 13, 35週後に屠殺し,標本を作製し検鏡した。その結果,実験例と対照例のGIはほぼ同程度であった。歯の動揺度は,実験例で経週的に増加した。X線写真でも実験例の骨吸収が進行していた。組織学的検索では,実験例では付着上皮が歯冠側とは分離し,根端側に存在していた。炎症は線維束間(歯間水平線維束や歯根膜線維束)のすう疎な部位の血管を中心としてその範囲を拡大し,歯根膜にもおよんでいた。実験例の槽間中隔部で破骨細胞による歯槽骨吸収が明らかに増加していた。以上の結果より,歯周炎と咬合性外傷の合併で,まず咬合性外傷によって線維束(歯間水平線維束や歯根膜線維束)にすう疎化が生じ,そして炎症はその部の血管の走行に沿って深部へ波及すると思われる。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1994-12-28
著者
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